ブリタニア植物図鑑
オヒーツリー
O'hii Tree
温帯に生息する植物−木−

●学名 Metrosideros polymorpha
●分類 フトモモ科オガサワラフトモモ属
●花言葉
●観察場所 温帯全域、熱帯全域

株型一覧

◆A型
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緑葉型
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解説

オヒーツリーの解説をする前に、ブリタニア唯一の植物本である「ブリタニアの植生」の一説を読んでいただきましょう。
 しかしながら、ブリタニアの多様な植物相の中でいちばん不思議なのは、我々の言語とはあきらかに異質な名前を持つ植物たちである。なかでも私は以下の名前を挙げたい。トスカナ松(私はこの世界でトスカナと名付けられた地域を見たことがない)(訳注:イタリアのトスカーナ地方のこと)、オヒーツリー、これは熱帯の島々のように聞こえる名前だ(訳注:ハワイのオヒアOhiaのオヒア・レフアの木かもしれない)。そしてウェルシュ・ポピー、これは色と生息地が普通のポピーと異なるのだが、奇妙な言葉「踏み倒す」(Welsh)で始まっている。私が知るかぎりではこれは借金を払わないことである(訳注:Welshはイギリスのウェールズ)。
行方不明のハーバート著 『カジュアルガイド ブリタニアの植生』より
訳:
ここで、Jillさんが訳注としてオヒア・レフアの名を挙げておられます。確かにオヒアはohiiの語感に近い名ですし、熱帯の島の植物ですから、私もオヒア・レフアの可能性が高いと思います。ということで、ここではオヒア・レフアを解説することにします(^^)

オヒア・レフア(ohia-lehua)は、ハワイ島固有の植物です。木自体の名前はオヒアの木(オヒアツリー)といいます。そしてオヒアの木に咲く赤い花をレフアと呼ぶのです。なぜ木と花に別々の名前がついているのか?それにはある恋人達の悲しい物語があるのです。
<オヒアとレフアの物語>
その昔、オヒアと言う青年がいました。彼がキラウェア火山を訪れた時、火山の化身である火の女神ペレが彼に一目惚れしてしまいました。ところが、オヒアにはレフアと言う恋人がいたのです。当然オヒアはペレの求愛を断りました。レフアに嫉妬したペレは、自分の思い通りにならないオヒアを醜い木に変えてしまいました。
この事を聞いたレフアはもちろん嘆き悲しみました。ペレにオヒアを元に戻すように懇願しても戻してはくれません。困り果てたレフアは他の神々に相談しました。ところが、他の神々でもオヒアを元に戻すことはできませんでした。しかしながら、神々は「二人がずっと一緒にいられるように、あなたを美しい花に変えて、そのオヒアの木に咲かせてあげましょう」とレフアに言ったのです。レフアはそれを受け入れ、二人は永遠に一緒になりました。
そして、オヒアの木とレフアの花は今でもずっと一緒に生き続けているのです。
ハワイには、「レフアの花を摘むと雨が降る」という言い伝えがあります。花を摘むということは、オヒアとレフアを引き離すことになり、そのために悲しみの涙雨が降るというわけですね。

こんな伝説のあるオヒア・レフアですが、どんな木かと言うと、ハワイの優占種で溶岩の周りから熱帯雨林内にいたるまで至るところに生息しています。ブリタニアでも温帯から熱帯まで幅広く分布していますね。大きくなると高さ30mほどにも成長する木ですが、そこまで大きくない木も多いようですね。木の材質は非常に硬く、古くは建材として利用されましたが、現在ではフローリング材や家具材として利用されることが多いようです。
常緑の広葉樹で、春と秋に大きく真っ赤なレフアの花を咲かせます。ブリタニアではレフアの花を見ることはできないようですが、いつか二人がブリタニアでも再び巡り合うことを祈って止みません。

路上観察


トリンシック南ジャングルにて
◆オヒーツリーは温帯に広く分布しているだけではなく、熱帯雨林の低木層を占める木としても重要な役割を果たしています。

実物写真
まだありません
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UOEN ©ZED,EBI.